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こころのおしゃべり

 こころのおしゃべりは、自覚しないで行なう、心の中のおしゃべり。これが、自己を見失わせ、苦悩を作る。

こころのおしゃべり
日常生活においても
「こころのおしゃべり」は、ストレスを作る

こころのおしゃべり

  こころの中のおしゃべり。こころの中の一人しばい。
 「こころのおしゃべり」は、「ストレス緩和プログラム」で重要な意味を持つ。
  ジョン・カバト・ジン(ストレス緩和プログラムの開発者)の言葉−−−
   「それをどう認識するかを学ぶことが瞑想なのです。」(1)

「こころのおしゃべり」

「ふつう、人はこころがしゃべっている(マインド・トーク)ことに気づきません」(ジョン・カバト・ジン)(1)

「そのおしゃべりが原動力となって、私たちを一日中追い立てているのです。あれをしろ、どう反応しろ、どう感じろ、というふうに。瞑想とはこころとからだのおしゃべりの奥底を探り、そのパターンを見抜くための方法なのです。それがよく分かれば、解放され、そして、おしゃべりも静かになるわけです。」(1)

この技法を実施している時

 こころのおしゃべりに気がついたら、それをしていることを気づき、中止する。
 それをしていたことを、悪いと、判断せず、ただ、気づく、だけ。
 その内容についても、良い、悪い、の判断をしない。

日常生活においても

 歩いている時、掃除する時、病院の待ち合い室で、いつも、同じようにする。  そしてなるべく、こころのおしゃべりを短く、少なくしていく。
     (努力しない功夫)
  この技法を熱心にする人は自然にそうなっていく。

「こころのおしゃべり」は、ストレスを作る

 ある出来事にまつわる場面を思い出して、心の中で、一人芝居し、一人問答し、怒り、悲しみ、落胆、などを再現している。また、その出来事の中での、他人の行動、言葉を思い起こして、批判の思いを重ねている。また、自分の行動、言葉を思い出して、後悔して、心の中で、ブツブツと思いを重ねていく。
 そのおしゃべりが、交感神経を刺激して、様々な「感情」を伴う。歓び、怒り、恐怖、不安、悲しみ、絶望、苦しみ、などである。こういう感情は、神経を刺激して、ホルモン、免疫への影響などによって、心身に悪い影響を与える。

 こういう精神的ストレスを緩和する技法がある。マサチューセッツ大学医療センターで開発されたストレス緩和プログラムである。呼吸を感じるとか、身体の一部の様子を感じるなど、ボディスキャンという瞑想を、なるべくいつも、実践する。こころのおしゃべりが意識に浮かぶのがわかるので、それを解釈したり判断したりせずに、考えることをやめて、呼吸や身体の感じに心を向ける。こうして自分の「こころのおしゃべり」に気がつくと、それをコントロールできるようになる。そのように、ストレス緩和プログラムを行っていると、一瞬一瞬、自分の行動していること、考えていることがわかるようになる。これを「自己認識」という。「現在進行中の自己の心的状態を認識する」ことである(2)。
 このプログラムを実践した人は、ダニエル・ゴールマン氏によれば「肉体の病を癒すにとどまらず、人間的な成長を反映していると思われる精神的な変容すらもたらしました。」(3)という。その人の「価値観」の変化が起こるのである。元々、このプログラム技法は、仏教の坐禅法に基づいて開発されたものであり、元来、仏教の坐禅に、そういう効果を生む力があるのであった。
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(注)
(1)ビル・モイヤーズ「こころと治癒力」草思社、一九九四年、一七二頁。
   これらは、本書の中での、ジョン・カバト・ジンの言葉。
(2)ダニエル・ゴールマン「EQこころの知能指数」講談社、七八頁。
(3)ダニエル・ゴールマン「心ひとつで人生は変えられる」徳間書店、一四六頁。

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