臨床心理学と他の心理学

　心理学は種々の領域、専門分野に分かれている。

種々の心理学

　日本では、次の５領域１７専門分野になっている(1)。

Ⅰ　知覚・生理・思考・学習
Ⅱ　発達・教育
Ⅲ　臨床・人格・犯罪・矯正
Ⅳ　社会・産業・文化
Ⅴ　方法・原理・歴史・一般

(注)

(1)「カウンセリング心理学」國分康孝、PHP研究所、37頁。

アメリカの心理学の分類

　アメリカの心理学は「部会」に分類されている。

1)一般心理学部会
2)心理学教授法部会
3)実験心理学部会
4)（なし）
5)評価・測定・統計学部会
6)生理・比較心理学部会
7)発達心理学部会
8)性格・社会心理学部会
9)社会問題研究心理学部会

10)芸術心理学部会
11)（なし）
12)臨床心理学部会
13)コンサルティング心理学部会
14)産業・組織心理学部会
15)教育心理学部会
16)学校心理学部会
17)カウンセリング心理学部会
18)行政心理学部会
19)軍事心理学部会
20)中高年心理学部会

21)応用実験・工学系心理学部会
22)リハビリテーション心理学部会
23)消費者心理学部会
24)理論・哲学的心理学部会
25)行動分析心理学部会
26)心理学歴史部会
27)地域心理学部会
28)薬理心理学部会
29)心理療法部会
30)催眠心理学部会

31)心理学諸団体連合部会
32)人間性心理学部会
33)精神遅滞・発達障害心理学部会
34)人口・環境心理学部会
35)女性心理学部会
36)宗教心理学部会
37)児童・青年・家族援助部会
38)健康心理学部会
39)精神分析学部会
40)臨床神経心理学部会

41)法心理学部会
42)個人開業心理学部会
43)家族心理学部会
44)同性愛研究部会
45)少数民族研究部会
46)メディア心理学部会
47)体育心理学部会
48)平和心理学部会
49)集団心理学・集団心理療法部会
50)薬物依存症部会
51)男性心理学部会

(注)

(1)「カウンセリング心理学」國分康孝、PHP研究所、39頁。

臨床心理学とカウンセリング心理学

　國分氏は「カウンセリング心理学」を提案している。日本では、１７専門分野にないが、アメリカでは、１２番目の「臨床心理学」と並列されて、１７番目に「カウンセリング心理学」がある。
　両者の違いは、次の通りである。

　「臨床心理学は病理的パーソナリティ（神経症・性格障害・精神病）の研究と治療が主たる守備範囲である。ところがカウンセリング心理学は、問題をかかえた健常者および問題を持っているわけではないが今よりも更に成長したい健常者を主たる対象にするものである。前者は治療志向であるが、後者は問題の解決・問題の予防・行動の発達をそれぞれ志向するものである。」(1)
(注)

(1)「カウンセリング心理学」國分康孝、PHP研究所、43頁。