「自己洞察瞑想療法」

 =マインドフルネス・アクセプタンス(アメリカ)
 =「自己洞察瞑想療法」(当研究所)

 マインドフルネス、アクセプタンスをおりこんだ、アメリカの心理療法(注)の新しい流れを、最近、翻訳出版された本で、知ることができました。日本の人が学ぶべき多くのことが含まれていました。心の病気や、家族間の対立、非行・犯罪にいたるまで、広い領域で適用されて、アメリカでは臨床試験で効果があることが判明しており、日本でも、適用していくことのできるカウンセリング技法だと思います。
 マインドフルネス、アクセプタンスをおりこんだ心理療法(臨床)は、まだ、日本では行われていないようです。
 これに似たカウンセリング技法を私どもは、すでに臨床に使っていて、「自己洞察瞑想療法」と呼ぶことにします。マインドフルネスに自分の心を洞察し、不快な症状、問題でも、回避せず、他者の傷害に向かわず、正面から向きあい、受け入れるべきは受け入れる自己のスキルを向上させていく。結局、自分の生きていく全ての精神活動を洞察するものであるので、「自己洞察」の心の鍛錬といえます。
 アメリカでの最先端の心理療法ですので、日本の精神医学界、臨床心理学界で、受け入れられるには、相当の期間がかかるでしょう。森田療法でさえも、当初は、偏見をもたれました。長老が、新しいノウハウを否定する傾向が、たいていの組織にみられます。やむをえません。しかし、アメリカでは、大変、盛んになっており、日本の一部の人々が、翻訳と、ノウハウの輸入を開始しました。日本では、周知されるまでに、20年かかるでしょう。でも、うつ病が治らない、自殺が減少しないという危機的な状況にありますので、どこかの病院、大学が、真剣にとりくめば、日本に広まるのが、加速するかもしれません。先見の目がある医師、心理療法者によって、なされるでしょう。

病気治療のための「自己洞察瞑想療法」と向上成長予防の「自己洞察瞑想法」

 それは、静かに坐って自分の心の全貌を観察しますので、特に、呼吸や運動、行動に注意集中(自動思考や無茶な行動を抑制しながら、不快な症状を受容しながら)をしますので、一種の「瞑想」です。注意集中が「瞑想」です。また、行動中にも、自分の直接経験(感覚、感情、行動など)にも注意を向け観察します(みだりに判断評価に移らない)ので「瞑想」(動的瞑想)です。瞑想にも、種々ありますが、呼吸法や行動中の感覚・行動の注意集中する心得を重視します。
 「自己洞察」にも、種々の方法や理論があるでしょうが、自己洞察瞑想療法(臨床)では、6つの自己洞察法を重視します。
 私どもの瞑想療法は、自己を洞察する6つの方針をおりこんだ「瞑想」です。自分の心の全貌、感覚から思考、感情、欲望、衝動、気分、行動にいたる自己の精神活動・行為のすべてを洞察する改善方法が「自己洞察」です。それを、瞑想を通じて習得しますので、自己洞察を実現する瞑想、それを精神疾患や心身症などの治療に用いる時は、「療法」といいます。治療に用いず、自分の成長、向上、予防に用いる時は、「療法」といわず、「法」とだけつけて、「自己洞察瞑想法」と呼びます。

特定問題・領域における適用例

「基本的瞑想法」と「動的瞑想法」

 静かに坐って行なう「瞑想」が基本的スキルです。「基本的瞑想法」と呼びます。そして、そのような静かな場所で、つちかった自己洞察のスキルを、職場や家庭で、まさに、感情がうずまく生きる現場で、ダイナミックに(「動的に」)活用できなければいけません。常に社会活動の現場で、うごいていく自分の心を洞察し、自分にとって不快なものでも、害ある思考、行動で反応するのはなく、受け入れるべきは受け入れて(アクセプタンス)、機能的な思考・行動を選択できるスキル、いつも、そのように洞察していることを「動的瞑想法」と呼びます。つねに、マインドフルネスで、アクセプタンスして生きていくことです。「基本的瞑想法」と「動的瞑想法」を軸にして、他の補助的な認知的技法、行動的技法をおりこんだ心理療法の総体が「「自己洞察瞑想療法」です。アメリカのマインドフルネス、アクセプタンスの心理療法とほぼ同じだと考えています。理論や技法が多少、違うところがありますが、マインドフルネス、とアクセプタンスは、ほぼ同じです。

(注)