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ロゴセラピーの「3つの価値」
オーストリアの精神医学者、
フランクル
は、ロゴセラピーを提唱した。
★★ 生きる意味3つと3つの価値 ★★
彼によれば、人間は人生に意味を求めて生きている。無意識のうちに、誰もが価値を認めている。3つに分類される。
- 1)何かを創造して世の中に与える
- 2)何かを経験して世の中から得る
- 3)苦悩に対して何らかの態度をとる
この3つの意味は、3つの価値と称する。
- 1)創造価値
たとえば、自分自身で絵や彫刻など、ものを作った時に感じる充実感で、世の中に何かを与えることに生きる意味を見出す。
- 2)体験価値
たとえば、美しいものにふれたり、いい景色を見る、美しい絵を見る、楽しいことをするなどによって感動する気持ち。世の中から何かを受け取るときに伴う体験に生きる意味を見出す。
- 3)態度価値
自己の死や不治の病、障害、愛する人の死など避けることのできない運命に対して、それを受け容れる際に、苦難にあっても、どんな態度をとるか
という人間の尊厳の価値。これに生きる意味を見出す。
創造、体験に意味を発見できる人はそれで生きがいを感じる。
創造、体験ができなければ、生きる意味を失うかというとそうではない。
態度価値がある。避けられない運命的な出来事において、
受け入れて、生きる態度に「態度価値」が実現される。人間は、
死ぬ直前のぎりぎりの時まで意味を持っている。「人間には責任、つまり意味と価値を充たし実現する責任がある。」
(フランクル『意味への意志』春秋社、p125)
西田哲学と類似
フランクルの哲学は、西田哲学と大変類似している。ロゴセラピーは、自己洞察瞑想療法(SIMT)とも類似するところがある、
自己は、創造的世界の創造的要素であり、一瞬一瞬、価値実現か価値崩壊かの決断をする自由を持つ。悪を犯し自己自身と他者の価値を崩壊する行動の自由がある。自己自身と他者の価値実現のための行動をする自由もある。精神疾患もこうした行動様式によって、症状が持続もし、治癒もする。