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    さまざまな他の領域へ=マインドフルネスの自己洞察瞑想療法

     日本で開発されたマインドフルネス的心理手法を自己洞察瞑想法/療法 (SIMT:Self Insight Meditation Technology/Therapy)といいます。 SIMTと略します。 まだ効果を確認していない領域に効果があるかもしれないのですが、 まだ適用して確認していないので、「効果があります」とは言っていませ ん。

    付加版自己洞察瞑想療法で効果の可能性のある問題

     可能性があるのは、ひきこもり、不登校、適応障害、心身症の緩和(過敏性腸症候群、アトピー性皮膚炎、喘息、ストレス性の心臓疾患など)、 心の病気にはなっていない心の問題(虚しさ・嫌悪・イライラ⇒家族や周囲にあたる緊張を与える・神経症的傾向・虚栄・劣等・優越・自信がない)、 がん患者や難病の患者さんの心のケア、ターミナルケア、統合失調 症の悪化防止、双極性障害の悪化防止、パーソナリティ障害の完治へ、長期間におよぶ家族の不和、家族の暴力虐待の改善、被害者の心のケア、犯罪者の更生・再犯予防のための心のケア、 注 意欠陥多動性障害の改善が可能か、線維筋痛症の緩和の可能性、 リハビリテーション現場の心のケア、 介護する人の燃え尽き、虐待の防止、 医師看護師の心のケア(燃え尽き防止、ヒヤリハットの予防など)、 小中学・ 高校生への心の教育(うつ病不安障害の予防、いじめの防止への効果もねらう)、スポーツ選手のメンタルケア、芸術芸能者およびすべての職業人の自己実現といきがい、生きる意味と価値の探求、日本の伝統文化を知り自己実現に活かす、高齢者のうつ自殺予防、高齢者の認知症の予防、被災地の心のケア、深い人間哲学にねざした宗教教育(学校教育と社会教育)などです。

    基本的自己洞察法にさらに特有の手法を付加

     手法は、本で公開される59の手法のうち のどれかを集中して行ったり修正した手法や、それにはない新しい手法を 加える必要があると思います。欧米のマインドフルネス心理療法者が、MBSRをそのまま使わずに、他の手法をプラスマイナスしているのと同様の方向です。
     セッション10までをそのまま用いるのを 標準的自己洞察瞑想療法というとすれば、基本的な自己洞察瞑想療法にさらにその領域に特有の手法を増減したものを付加するのを「付加版自己洞察瞑想療法」とよびましょう。これが必要になります。
     がん患者や難病の患者さんの心のケア、ターミナルケアの領域は、 宗教レベルのマインドフルネスの手法も付加していく必要があります。「死」の 問題は宗教レベルですから。標準的自己洞察法を短期間(1週間から半年=患者さんの状況による)に習得して、 さらに死の問題の受容、マインドフルネスの手法を短期(ひと月)、長期(数年)に実践していくことになるでしょう。また、生きがい、生きる意味、生きる価値の探求のマインドフルネス心理学は、意志的自己よりも深いものである必要があります。こういうことは心理学者が論じているのですが、具体的手法としてマインドフルネス心理学を用いることができると思います。今後の研究課題です。
     神経生理学的なことが関係している問題は、それぞれの問題の心のプロセスと神経生理学的な変調を検討して、 どのようなマインドフルネスの手法がいいのかを検討することになると 思います。そして、「まだ効果が確認されていないのですが、参加して みませんか」といって、協力してくださるクライエントの方から苦痛、悩 み、問題の話をきき、「それなら、この症状、この問題には、試しにこれ をやってみましょう」 と臨床試験の前段階のような方法でいくつかの手法を試行錯誤ですすめて いくしかないと思います。
     いきがい、生きる意味、生きる価値の探求をマインドフルネス心理学でためすことも、 有志による試験的実践が必要です。これは、西田哲学でいえば、叡智的自己、人格的自己のレベルになるはずです。真剣な人が試すべきです。このテーマも方向だけは提案できるときがくればいいのですが。
     そうやって、20年間、うつ病や不安障害の方が、参加してくださって 、うつ病・不安障害・過食症のためのSIMTができたのです。 他の領域も、「まだ効果が確認されていなくてもいいから、試してみたい」というクラ イエントの方の協力が必要です。そうやって多数の効果のあるデータが集 積されたら、手法を定型化し文書化して「これこれの方法で、どれくらいの実施量で、この問題に一定の効果が確認さ れました」と発表できます。感覚、思考、感情、意志作用レベルのセッション10までのSIMTの基礎がほぼ確立し、さらに その先に、西田哲学や 襌の哲学の方法と方針(理論、智慧)がわかっていますので、その道の専門家の方が研究実践な されば、新しい領域の効果確認は20年もはかからないと思います。
    ★さまざまな領域へ貢献できる可能性

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