top>MF目次
マインドフルネスの自己洞察瞑想療法
=適応障害の改善
さまざまな領域に、マインドフルネス自己洞察瞑想療法(SIMT)が効果
を発揮する可能性があること、その領域に特有の手法を付加する方向を述
べました。
そのうち、「適応障害」は、標準的自己洞察瞑想療法で治る可能性があ
ります。
うつ病や不安障害に類似するからです。
「適応障害」のDSM-Wによる診断基準のうち主なものは次のとおりです。
A. はっきりと確認できるストレス因子に反応して、そのストレス因子の
始まりから3月以内に情緒面または行動面の症状が出現する。
B. これらの症状や行動は臨床的に著しく、それは以下のどちらかによっ
て裏づけられている。
(1)そのストレス因子に暴露されたときに予測されるものをはるかに超え
た苦痛
(2)社会的または職業的(学業上の)機能の著しい障害
適応障害はいくつかに分類されます。
-
抑うつ気分を伴うもの
優勢にみられるものが、抑うつ気分、涙もろさ、または絶望感など
-
不安を伴うもの
優勢にみられるものが、神経質、心配、または過敏などの症状、または子
供の場合には主要な愛着の対象からの分離に対する恐怖の症状
-
不安と抑うつ気分の
混合を伴うも
優勢にみられるものが、不安と抑うつ気分の混合である場合
-
行為の障害を伴うもの
優勢にみられるものが、他人の権利、または年齢相応の主要な社会的規範
や規則をおかす行為の障害である場合(例:無断欠席、破壊、無謀運転、
喧嘩、法的責任の不履行)
-
情緒と行為の混合した
障害を伴うもの
優勢にみられるものが、情緒的症状(例:抑うつ、不
安)と行為の障害の両方である場合
適応障害の場合、そのストレス因子にさらされなければ症状がでなくな
ることが多いので、周囲からは「仮病ではないか」という誤解を受けやす
い。職場で嫌がらせを受けて以来、職場に行くたびに不安がつのるとか、
吐き気がするとかの例である。症状は重いものから軽いものまで様々であ
る。うつ病との区別がむつかしい場合もある。
心理的反応・行動も神経生理学的な変調もうつ病や不安障害に類似
すると思われるので、自己洞察瞑想療法で改善する可能性が高い。
その診断を受けた人は試してみられるといい。瞑想状態の中で、
自分の心理を観察し受容し機能的行動をリハーサルするのは、
従来の心理療法にあまりみられなかったので、治らなかった適応障害でも
、治る可能性があります、