自己洞察瞑想療法(SIMT)
(マインドフルネス心理療法の一種)
特定非営利活動法人
マインドフルネス総合研究所
電話 048-769-2036
http://mindfulness.jp/
 自己洞察瞑想療法(SIMT: Self Insight Meditation Therapy) は、日本で開発されたマインドフルネス心理療法の一種です。欧米で開発されたマインドフルネス心理療法には、弁証法的行動療法、マインドフルネス認知療法、アクセプタンス・コミットメント・セラピーなど多数あります。いずれも、感情や症状、つらい状況などの不快事象をあるがままに観察して受容する心(アクセプタンス)と、そういう不快事象があっても建設的なことに意識を向けて行動する心(マインドフルネス)を向上するトレーニングが中核となっています。うつ病(非定型うつ病を含む)や不安障害(パニック障害、社交不安障害=対人恐怖症、心的外傷後ストレス障害=PTSDなど)、依存症など(以下、「心の病気」といいます)に効果がみられます。
★自己洞察瞑想療法(SIMT)
 自己洞察瞑想療法(SIMT)は、心の観察の実践、自己の心や世界について論理的に説明した西田哲学、心の病気についての脳神経生理学を融合させて、日本で開発されて、20年近く臨床的に用いられてきました。
★価値崩壊の反応様式
 何か思いどおりにならない出来事があった時に、 不快な思考を繰り返し、陰性の感情(怒り、不安、嫌悪など)を起し、こうした不快さを軽くしようとして、 根本的な解決にならない行動に移ります。そういう行動は、苦悩の思考の繰り返し、依存になる行動、回避・ひきこもり、自傷行為、暴力行為、犯罪行為など(非機能的思考・行動)があります。根本的解決にはならないので、苦痛の思考を繰り返して、脳神経生理学的な反応をもたらして心の病気になります。うつ病の場合には、不快な感情によって、ストレスホルモンが分泌されて、脳神経の機能を傷つけると推測されています。不安障害の場合には、扁桃体の不安感情の強いことや前頭前野の抑制機能の低下のために社会的な行動を回避(電車に乗れないとか集団の中にいられないとか)してしまいます。
 心の病気になると、症状がつらい上に、頭脳が回転しないために仕事ができなかったり、他者とのコミュニケーションが難しくなったりします。不快な身体症状 もあることが多くて、こうした状況を苦悩する思考、不快な感情、非機能的行動が繰り返されます。心の病気は薬物療法で治る人もいますが、薬物療法で治らない場合でも、自己洞察瞑想療法で治る人がいます。
★ 心の働きを深く洞察して価値実現の反応様式
 西田哲学によれば、意識作用には深浅があります。 見る、聞くなどの感覚(知覚)は浅く、思考はそういう知覚をも対象にしますので思考作用は感覚より深い位置にあります。 思考よりも深い意志作用があります。 感覚や思考、感情などの作用を観察する作用(作用の作用)があります。そして、感覚、感情、思考が不快であっても、非機能的な行動をとらずに、冷静に建設的な思考や行動を選択する作用、決意し実行する作用もあります。こうした、種々の作用を観察して、建設的な行動を選択する統合的な作用を意志作用といいます。 こうした意志作用が実行できれば、不快な思考、不快な感情、非機能的行動は少ないので、脳神経生理学的に変調を起こしている部位に、逆の反応を起して、症状が改善します。
 不快事象があってもすぐに非機能的思考・行動をせずに、冷静に観察してその事象の特徴を知る局面と、建設的な対策、建設的な行動をする局面とがありますが、意志作用を適切に行使できるようになることによって、 心の病気を予防したり治したりすることができます。呼吸法をしながら、不快事象を排除も逃避もしようとせずに、そのままに観察する訓練をします。日常生活の行動中に不快事象がおきても、建設的な行動を選択、実行することに応用します。
 西田哲学によれば、意志作用よりもさらに深い「直観」という作用があります。 自己を場所的なものとみて、種々の作用やその対象が自己の心の場所においてあると見ます。 知的に理解するだけではなくて、実践的に観るように訓練します。 ものごとを外部に見ないで自己と同一と見ます。すべて、自己の上にあるものと見る観察の実践と生活の中での実際適用を続けます。考えられた自分は浅い表面の思考の内容(対象)ですから、真の自己とはみません。自己自身を対象的に思考(自己嫌悪、自己批判)して苦しむことを止めます。自己の心の場所(主観)に対象(客観)や作用があると みられるようになると、現われる現象は必然なるものであると受容し、同時に 新しい今と未来を創造する行動をとることができるのが自己であると自覚し て、不快事象の受容と建設的な反応様式を繰り返しトレーニングします。 現実の生活の中で実際の社会的行動ができるようになって、脳神経生理学的にも健康な反応となり、心の病気が軽くなります。いくらか症状が残っても受容して社会生活に支障がないように生きていけます。

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