痛みを軽減する(3)
痛みを軽減する治療を医者に依頼すればいいが、薬を服用しても、それでも、とれない痛みがある場合、何かくふうできないものか(呼吸法などで)可能性をあれこれ考える。
痛みを軽減するために、薬が使われることがあるが、それが、効かない場合、すべての人に、元来、備わっている痛みの軽減の仕組みがある。それを心の工夫で(心理療法になる)うまく利用できないか。痛みや抑うつ気分(うつ病)、予期不安(パニック障害)などがマインドフルネス瞑想療法で軽減するわけが、脳神経科学の研究から、説明できるところがありそうである。
脊髄後角に伝えられた、痛みの刺激は、その後、2つの経路で、脳に伝えらえて、痛みを感じる。
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体性感覚野
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前部帯状回
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外側視床
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内側視床
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脊髄
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後角
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痛み
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(図)
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痛みの大脳への投射経路
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2つの経路
脊髄後角に伝えられた、痛みの刺激は、その後、2つの経路で、脳に伝えらえて、痛みを感じる。
- (A)弁別的痛覚系
新脊髄視床路→外側視床→体性感覚野(大脳皮質)
- (B)情動的痛覚系
旧脊髄視床路→内側視床→前帯状回
この時、2つの部位の感じ方のバランス次第で、痛みが軽くなったり、強くなったりする。
- (参考)「Clinical Neuroscience」(月刊 臨床神経科学)、中外医学社、Vol.23 No.11(特集「帯状回」)、1249頁、1280頁。
(続)