薬でうつは治るのか?(8)=良心的な医者をさがしなさい
 =書籍紹介「薬でうつは治るのか?」片田珠美、洋泉社(新書)、780円+税


 日本では、うつ病だとわけもきかずに、薬物療法を開始する。診療報酬の制度ゆえに、収入が少なくなるので、心理療法を行なう医者は少ない。だが、再発をふせぎ、早期になおしたいなら、話をよく聞いてくれる医者もいるから、さがすべきだと、精神科医、片田珠美氏は、次のように書いている。  うつ病は抗うつ薬で治ると宣伝する医者が多いから、こんな本を出版したら、同業者から、のけものにされ、いじめられることはないのだろうか。多少、不安を感じておられるのだ。
 勇気ある出版に賞賛と敬意を表明したい。この本を読む医者と患者、家族の行動に影響を与えるに違いありません。薬物のみに依存せず、自己を見つめて、うつ病を治して、復帰される人が多くなることを心より、祈ります。
  心理療法のカウンセラーも種々あって、カウンセラーがみな、うつ病を治せるとは限らない。片田氏も忠告している。ながびく原因の一つは、「不適切な精神療法的介入が挙げられているほどである」(221頁)。うつ病の治療が得意な、医者、カウンセラーをさがすべきだ。これも、情報が不足しているが、真剣にさがせば、みつかるだろう。