代替医療・呼吸法で血圧が下がる

 「代替医療は効くのか」という読売新聞の記事で、「瞑想で血圧が下がる」ことを紹介している。  ロサンゼルスのシーダーズ・サイナイ医療センター診療部長ノエル・B・メルツさんが瞑想を医療に利用している。瞑想が「心臓病の改善に役立つか」を研究している。
 「ここで指導した瞑想は、イスに座ったり、横になったり、リラックスできる姿勢になって、呼吸に意識を集中して、深くゆっくり腹式呼吸する方法。」
 「その結果、瞑想のグループはわずかながら、血圧が下がり、心拍の調整機能も改善した。」(2007年6月13日 読売新聞)
 私どもの自己洞察瞑想療法(マインドフルネス心理療法)の技法のひとつと全く同じ技法が使われて いる。私も、呼吸法、マインドフルネス心理療法は、ストレスが影響するすべての心身症に改善効 果があると思うので、希望者には、指導する。
   高血圧については、こんな例があった。不眠症だという人がおいでになって、呼吸法を指導した 。まもなく、不眠症が治ったが、その人は、数年ずっと血圧が高いので降圧剤を服用していたが、 呼吸法を始めてから、血圧が下がるので、降圧剤の服用をやめた。心理的ストレスによる本態性高血圧だったようだ。
 マインドフルネス心理療法は、呼吸法を多用するが、心疾患をはじめとして、種々の心身症(心理的ストレスが症状の維持悪化に影響する身体の病気)の改 善に効果があると思う。はく息を長くするので、副交感神経が優位になることがわかっている。 HPA系の亢進をしずめる。また、腹式呼吸法は、セロトニン神経を活性化させる(東邦大学、有田秀穂教授)。心理的なストレスが影響している身体の病気の改善効果があることは推測される。 呼吸法に、マインドフルネスやアクセプタンスの心得を付加すると、つらい自動思考への繰り返しが少なくなるので、さらに、改善効果が高まる。
 日本も、呼吸法をもっと活用すべきである。病院は収益が減少するかも しれないが、患者の利益になる。病院ではなくて、医療費削減に利益を得る、国や自治体や患者支援の団体がこのような効果がはっきりしている代替医療を促進していただきたい。