東大の熊野宏昭教授・マインドフルネス心理療法の紹介

 マインドフルネス心理療法は日本ではまだ紹介されておらず、インターネットで検索しても、ほとんど、出版された翻訳書くらいです。それほど、日本では、心理療法行なう人がいない心理療法です。研究論文もほとんどない状況です。
 そんななかで、埼玉メンタル・カウンセリング協会の記事以外では、東大の熊野宏昭教授が、マインドフルネス心理療法について、紹介しておられます。  これくらいが「マインドフルネス心理療法」で出てくるのですから、日本では、実際の臨床におこなっているカウンセラーは少ないでしょう。しかし、アメリカでは、呼吸法や瞑想(何かに意識を集中する)を利用した、種々のプログラムが開発されて、効果があがっているということが、翻訳書で紹介されました。うつ病、パニック障害、パーソナリティ障害、自殺念慮などの治療のためのすぐれた心理療法として日本でも、認知される日がくるでしょう。
 マインドフルネス心理療法では、呼吸法を用いますが、それだけではありません。注意集中法、不要機能抑制法、徹底受容法、機能分析、連合解消法などを指導します。呼吸法も世界に、何百種類もあるでしょう。心の病気を治すことを実際行なっているカウンセラーが指導する方法で行なわないと、かえって害が生じる危険性があります。実験室での研究成果を知っているだけ、健康な人だけに指導している人のすすめる呼吸法とか、本から学んだだけの人で、心の病気の人を治したことがない人の紹介する方法では、微妙な心得のところで、違うことをおこなったり、妙な基準で患者の心を縛った呼吸法になったり、力を入れすぎて緊張したりして、よくありません。実際に、心の病気の臨床をおこなっている人の指導を受けることをおすすめします。
 心の病気の人でも、3か月、6カ月と継続できて、心の病気の治療効果があった方法として、「ゆっくり呼吸法」「数えるゆっくり呼吸法」をおすすめしています。