セロトニン神経を鍛えて「あがり克服」
東邦大学医学部・生理学第一講座(有田秀穂教授等)のHPに、セロトニン神経と痛み、セロトニン神経と腹式呼吸法(坐禅)の関係についての研究結果が記載されている。
有田教授らの研究から、腹式呼吸法などのリズム運動は、感情を制御するセロトニン神経を活性化させて、うつ病、自殺、パニック障害、摂食障害、あがり、子供などの「切れやすい」傾向、などを治癒させ、スポーツ・武道の向上を期待できるという。これは「あがり克服法」である。
(11)「あがり克服法」
(A)(要旨)
リズム運動で「あがり」を克服した例が紹介される。テレビで「ヒトはなぜアがる?」というテーマで、「元気」の神経、すなわちセロトニン神経が紹介されたことがあります。セロトニン神経が、パニックや不安で興奮する脳神経(脳幹のノルアドレナリン神経)に対して抑制作用を及ぼし、その働きが強い場合に、ヒトはあがりにくい、という番組に仕上がっていました。
お茶の師匠で、お手前の際、どうしても手が震えて困っていた人が、ヨガ教室に通って、それを克服できたというのです。
人前でスピーチをする時も「あがる」人がいる。手や声が震えるだけではなく、頭の中が真っ白になり、満足なプレゼンテーションができなくなります。
こういう時に、事前に呼吸法を実践しておくと、不安や緊張症状が軽減、解消されます。ただし、数回の深呼吸ではダメで、腹筋を使った腹式呼吸を最低10分以上繰り返す必要があります。
(B)(HPから)
「お茶の師匠で、お手前の際、どうしても手が震えて困っていた人が、ヨガ教室に通って、それを克服できたというのです。手が震えるのは、あがりの症状です。それは、不安やパニックに関係するノルアドレナリン神経の興奮に基づく、交感神経の緊張状態と説明されます。この時、心臓がドキドキし、血圧が上がり、手に汗も出るはずです。セロトニン神経はノルアドレナリン神経が活性化される経路を抑えることで、そのような緊張を未然に防ぐ効果があります。」
「人前でスピーチをする時も同様な現象が起きます。心理学ではコミュニケーション不安といわれます。人によって程度の差はありますが、極端な場合には、手や声が震えるだけではなく、頭の中が真っ白になり、満足なプレゼンテーションができなくなります。こういう時に、事前に呼吸法を実践しておくと、非常に効果的であり、前述のお茶の師匠の場合と同様に、不安や緊張症状が軽減、解消されます。緊張を消すために、わざわざ酒を飲む人もいるといわれます。いい薬があれば、それに頼ろうと思う人もいるでしょう。それに較べると、呼吸法は簡単で、全く副作用、悪影響を残さない点で、優れています。ただし、数回の深呼吸ではダメで、腹筋を使った腹式呼吸を最低10分以上繰り返す必要があります。」
(C)(考察)
ふだんから、坐禅のようなリズム運動を行っていると、「あがり」やすいという悩みを克服できる。あがりやすい人は、人目のあるところでのスポーツや芸能(テレビや舞台で)に実力を発揮できなかったり、素晴らしい業績をあげる実力を持っていながら、人前でのスピーチができなくて重要な役割を発揮できない企業人がいる。ふだんから坐禅していると、「あがる」という悩みはなくなる。坐禅がセロトニン神経を活性化させるのだろう。
(参照)