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免疫学

免疫学=ストレスからNK細胞が活性失い「がん」に

心理的ストレス、ホルモン、免疫

 心理的ストレス(思考によるストレスを含む)、自律神経、内分泌系(ホルモン)、免疫系との相互の関係がかなり解明されてきた。  種々の研究成果を、次の記事に整理している。  この中に、次の説明がある。NK細胞は、ナチュラル・キラー細胞で、癌細胞などを殺傷する能力のあるリンパ球である。この機能が弱い人々は、がん細胞が増殖しやすい。

  • (D-1)免疫系への影響
     コルチゾールは、糖の新生によって血糖値を上昇させ、細胞面疫や液性面疫を抑制する。(d784)
     視床下部から放出されるACTHは、T細胞の機能を抑制する。また脳下垂体からプロクラチンが放出されてT細胞、B細胞、NK細胞(これらは皆リンパ球である)の機能を抑制する(参照文献d787)。
     種々の生活上の変化(配偶者との死別、母子分離、資格試験、社会的支援を失った老人など)に伴うストレスによって、ナチュラルキラー(NK)細胞・T細胞の機能低下、リンパ球反応性低下があるという多くの調査報告がある(d786)。
(参考書)
  • (d)入江正洋・他「ストレスと免疫」(「診断と治療」Vol.89-No.5、診断と治療社)

がんはストレス等の要因で上皮細胞が異常増殖

 世界的な免疫学者、安保徹氏(新潟大学大学院医学部教授)は、「発ガンのほんとうのメカニズム」として、次のようにいう。  血液中には、白血球があって、我々の身体に異常なものが入りこんだとき、あるいは、内部で異常なものが発生したときに、排除して生命を維持している。白血球にはリンパ球と顆粒球がある。細菌などの粒子の大きな異物侵入に対しては、顆粒球がリンパ球には、T細胞、B細胞、NK細胞などがある。これら白血球は、自律神経の支配下にある。

NK細胞は副交感神経優位で「癌」細胞を殺す

 NK細胞が、癌細胞を殺すということがわかってきたが、安保氏は、その仕組みは、NK細胞が、パーフォリン等、がんを殺す物質を振りかけると説明している。  このために、NK細胞の活性が高い人は、癌になっても、薬の投与なしでも、がんを自然治癒させることがあるとか、治癒率が高く再発しにくいといいます(2)。  がんは、NK細胞の活性で退縮治癒するから、がんにったら絶望せずに、生活習慣などの見直しで、副交感神経を活性化させて、治そうと提案している(4)。
 有田秀穂教授(東邦大学医学部)の研究によれば、坐禅、呼吸法なども副交感神経優位となるので、癌になった人は、絶望せず、呼吸法などをしながら、自己免疫を強化させつつ、西洋医学的な治療も受ければよいであろう。
 なお、安保氏は、ストレスが、NK細胞の活性を弱めて、癌を発病させるという。癌の予防のためにも、坐禅等が貢献することになる。「ガンを治す究極の四カ条」をみれば、それが納得できる。