高齢者の犯罪

 =前頭前野のおとろえ

 高齢者の犯罪が増加している。高齢者がキレやすくなる。そのわけと、防止法について、テレビ朝日で紹介されました。(10チャンネル、Jチャンネル、6/08/2006)

 子供のキレるのは、次の記事でご紹介しました。

 →脳科学で防ぐ”キレる子”

 高齢になると、ささいなことで激怒して、手が出たり、ものを投げたり、犯罪まで起こす人がいる。夫から暴力を振るわれると、妻も我慢の限界に近づいている。
 高齢者が怒りっぽくなって、怒りを抑制できないのは、前頭前野の外側部が衰えてくるからという。だが、一部の人である。キレやすくなる人は、ストレスのある人が多いという。ストレスが、前頭前野の感情抑制力を低下させる。うつ病の発症と類似する。
 長く妻の介護をしている夫が紹介された。キレやすくなっている。怒りをおさえきれなくなることもあるという。
 では、キレる高齢者を減らすには、どうしたらよいか、福島大学大学院の生島浩教授は、提案する。
 「きちんとした役割があればいい。社会が居場所を用意していない。社会に必要とされていないと「疎外感」をいだいているという。社会全体の受け入れがあれば、キレる高齢者は少なくなると思います。」

 高齢者の居場所がなくなった。社会が高齢者を受け入れなくなって、疎外感をいだいて、ストレスを感じてしまう。こうして、前頭前野の機能が低下する。
 大学も、社会人学生の受け入れはするが、その卒業後の有効な活用をはかろうとしない。ただ、在学させるだけである。大学も意識を変えたほうがよい。ボランティア活動や仲間づくりで、外部と接触する機会を作るのが、キレる、うつ病を予防するようだ。
 私どもの自殺防止、ひきこもり解消などの支援の活動は、定年後の人が参加してくださることを期待している。他者のためにすることが、自分のため(いきがいを見出すことで、うつ、自殺、キレ、犯罪の回避となり)にもなる。