NHK 女性の”うつ”(4)

 7月24日、NHKが、「女性の”うつ”」を放送しました。午後10時から11時30分の放送の後、0時40分から2時まで。
 7月29日午後8時から、「総集編」が放送されました。
 以前の繰り返しが大部分でしたが、ゲスト出演者の、対話が、24日の生放送のあとの部分は、今回、新しいものでした。
 3組のご夫婦が、両方ともうつになってしまったかたが出演しており、薬物療法を何年も受けているのに、治っていない(森岡さんを除いて)ことが告白されました。そういう夫婦に対して、よいアドバイスもなく、せいぜい、「二人の距離を置く」、つまり、一人だけの時間を持つというものでした。あきれました。
 3つのご夫婦は、次の様子でした。  以上の3組、アナウンサーの質問や番組の構成上は、みな、治っていないという印象を受けたが、森岡さんは治っておられる。HPの体験記(別記事でご紹介します →こちら )に書いておられるが、抗うつ剤や安定剤を飲むのをやめて、臨床心理士のカウンセリングを受けるようになってから 急速に良くなっていったという。やはり、カウンセリングでも、治るという好例である。薬物療法で長引く人は、ぜひ、カウンセリングを受けるべきだ。
 あとの2組のご夫婦は治っておられない。テロップでも、治らない人の苦しみが次々と流された。最後近くの、アドバイスは、「二人の距離を置く」だった。
 テレビに臨床心理士が出ないのも、奇異に感じた。
 日本のうつ病の医療は遅れている。アメリカから心理療法をこれから輸入するとして、うつ病の治療技術(心理療法)は、アメリカよりも、20年遅れていくでしょう。これからも、10年は、こういう方たちは、苦しみ続けるでしょう。このお3組のような方は、社会の仕組みの問題ではないです。薬物療法を受けることができています。経済的にも、薬代金を払うことができます。治療法がない、薬物療法しかない、この問題です。医療技術の遅れです。自殺の増加には、種々の要因がありますが、このケースは、自殺されてはいませんが、うつ病の治療法の遅れというのも大きな要因です。長引いているうちに、うつ病がひどくなり、自殺する人が多いのです。
 心理療法もアメリカでは、成功しているのですから、これも普及させるべきです。医者や臨床心理士は、他の領域で忙しいようです。そういうかたたちがやらなければ、他の人材がやればいいでしょう。