呼吸法の課題をどう解釈するかクライアント側からの受け止め方
Yさん、深刻なうつ病を克服された方の受講体験。
このマインドフルネス心理療法では呼吸法の課題を出します。それをどう受け止めるか
クライアント(患者)にとっては大問題です。
それがプレッシャーとなる場合があるようです。
症状、背景、現在の環境など様々ですので、自分にあった分量をみつけて着実にやっていけばいいのです。相談してくださればいいのですが、何も言わないでドロップアウトしてゆかれる方もいるでしょう。
Yさんもたくさんはできなかったようです。それでも治った。
Yさんは、数年前に、うつ病になり薬物療法を受けても軽快せず、こちらにおいでになった時は、あまりみられないほどの重症でした。
呼吸法を中心としたグループ・カウンセリングを受けて、うつ病を治しました。今はすっかり元気で働いておられるとのことです。
Yさんがおいでになった頃と比べて、ドロップアウトを減少させようと、テキストも充実させてきました。そんなテキストも不備な頃だったのに、重症のうつ病を克服されました。
「カウンセリングの中の大きな柱である
呼吸法を日課として続けられないことに
後ろめたさを感じていました。」
カウンセリングを途中で断念するおそれがあります。
それでも、ドロップアウトせず、自分のペースをみつけて着実に実行していくと、うつ病は治るようです。Yさんが、
この問題に触れて
いましたので、その部分の掲載の許可(もちろん匿名で)をお願いしたところ快諾を得ましたので
掲載させていただきます。
もともと体験談として書かれた文章ではなくて
セラピストへの私信としてのメールの中の一節です。
マインドフルネス心理療法の特徴があります。セラピストが教えた断片的な技法を実行するうちに、色々な組み合わせをクライアントが実行できるようになって(関係フレーム理論で説明していますね)、セラピストが指導しなかった方面まで新しい自己の見方、人生観、世界観をつかむようです。Yさんはその後、いくつかの大きな危機があったけれど乗り越えられたそうです。たくさん語っておられますが、今は
課題の受け止め方の部分だけ掲載させていただくことにします。
この部分の掲載の要請にあたり、Yさんはこんなことをおっしゃっています。
Yさん
「
続けられないことが原因で、
せっかくの素晴らしいカウンセリングからの学びを
途中で諦めてしまうのはとてももったいないですよね。
私の経験を載せることで、
うつで苦しむ人が
楽な気持ちで病気と向き合えるようになれて、
一人でも多くの人が苦しみから脱することができたら、
本当に嬉しいです。」
下記の言葉の中に
「「そうだ、呼吸だ!」
とゆっくり呼吸をすることを思い出し、
とすぐに切り替えることができるようになりました。
と同時に考えを切り替える癖も自然と身についていました。」
といいますが、ここまでになるには、言語プロセスからの解放スキルの長期間の実践があったのです。健常だと思われている人でも、人を恨み、自己を否定する思考を渦巻かせることがあります。なかなかYさんのようにはいかない人が多い。だから、多くの人が苦しみます。
呼吸法の課題=プレッシャーをマイペースに
=マインドフルネス心理療法を受講して「うつ病」を治したYさんから
「呼吸法」の課題をどの程度実行するか
呼吸法をやることについては、
毎日の日課にすることが逆に負担になって
しまったときもありました。
私は、
「絶対に毎日しっかりやらなくてはならない!」
と、勝手に気負いすぎていたのです。
ただでさえ、普通の生活も苦しい時には
日課にすることは本当に難しいことでした。
だから、自分なりのペースを守ることにしました。
できない日があっても、それを自分で責めないこと。
できるときはしっかり時間をとってやってみる。
その繰り返しを続けていました。
ただ、そんなふうにしながらも
いつも呼吸について考える環境にいることができたので、
ここぞという時にちゃんと実践できる癖がついていました。
考え事をしているときや、何かに没頭してしまっているときは、
自然と息を止めていたり、
呼吸が浅くなってしまったりしていることに
気づきます。
そういうときに、
「そうだ、呼吸だ!」
とゆっくり呼吸をすることを思い出し、
とすぐに切り替えることができるようになりました。
と同時に考えを切り替える癖も自然と身についていました。