薬物療法の限界

再発が多いうつ病(2)・薬物療法(高田明和氏)

 医療については、患者にどういう治療法があって、それぞれの注意点まで患者に話してから治療するというインフォームド・コンセントが常識である。 しかし、うつ病(自殺することがあるという重篤な症状がある)については、これが十分ではないのが、日本の医療である。日本に自殺が多いのも、これが関係しているだろう。
 保健師その他の相談機関の人も知らないのだろうと思えることがある。たいてい、うつ病とわかったら「心療内科や精神科を紹介する」というからである。だが、薬物療法には、下記の問題がある。

 また、医者は、薬物療法と心理療法があることを説明せずに、ほとんどすべての患者に薬物療法のみを行うだろう。がんや他の身体の病気では、再発のリスクのある病気には、注意がされるようだが、なぜか、再発の多い「うつ病」であるのに、再発防止のアフターケアのような補助的な援助がない。
 薬物療法は、結果として次のことが言われている。浜松医科大学名誉教授の高田明和氏である。  おりしも「医者にウツは治せない」(光文社新書)という本が出版された。  うつ病を完治させて、自殺を減少させるには、うつ病の心理療法ができるカウンセラーを増やさなければならない。
 うつ病(パニック障害も)の再発に関連する記事は、次の記事にもあります。