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大災害の後、10年もうつ病、PTSDが

被災者のストレスによりHPA系・自律神経の亢進、ストレスホルモンの過剰分泌

 =地震/津波/原発・

 大災害の被災者が強いストレスを受け続けると、種々の病気が起こりますので、直後から、予防的な対策が重要です。心のケアです。物資の支援のほかに、心のケアの支援が重要です。直後から、不眠・身体の不調が出てくる。これが、兆候です。このような兆候のある人に、心のケアをすると、重病に進展するのを防止できるのです。
 しばらくすると、種々の病気になる重要なわけの一つは、HPA系の亢進、負のフィードバックの機能不全です。
 うつ病になった人は、副腎皮質ホルモン(ストレスホルモン)の分泌の亢進がみられます。被災者は、大きなストレスが一斉におしよせますので、つらい思考、つらい感情が繰り返し起きるので、ストレスホルモンの分泌系、自律神経の亢進を毎日、多くの時間、起こしがちです。そうすると、健常者なら、一度興奮したストレスホルモン系は、しずめる作用を回路の中に備えているが(負のフィードバック)、興奮を続けていると、この負のフィードバック機能がそこなわれます。そうなると、常時、ストレスホルモン系が亢進している状況となり、うつ病が発症します。

生活不活発病、要介護状態

 あるいは、疲労感、意欲がない、身体不調が治らないために、外出しない、運動しない、行動しないという状況になり、生活不活発になりやすくなります。要介護のレベルが悪化します。被災前に、時病があった人は、交感神経やストレスホルモン系の亢進によって、時病が悪化します。

薬物療法、認知療法、マインドフルネス心理療法

 このようなわけで、被災直後から10年にもわたって、身体の不調や精神疾患になる人が多くなります。 医師に相談して、診断を受けて、心因性(心理的)の症状、心理的なストレスによる悪化であることがわかれば、薬物療法に加えて、認知療法やマインドフルネス心理療法を併用したほうが「いいのです。 薬物療法の効果を打ち消すほどの苦しみを持つ人が多いからです。
 治療が成功しないと、自殺が起ります。さまざまな対策をとっていただきたいです。