「心の病」での労災認定が過去最悪

「心の病」での労災が認められたのは、2008年度は過去最悪の269人だった。 ⇒( asahi.com 2009年6月8日
 8日、厚生労働省のまとめでわかった。このうち自殺(未遂含む)は66人で、過去2番目に多かった。厚労省は「過労死などの数は全体として減少傾向にあるが、経済情勢の悪化で職場環境は厳しい状況が続いている」としている。
 一方、過労による脳や心臓の病気で労災が認められたのは377人で、前年度の392人より減ったが、過去2番目に悪い水準となった。このうち死亡者は前年度より16人増えて158人となり、過去最悪だった02年度の160人に次ぐ多さだった。
 企業が人員削減を加速させる中、残った人の負担が重くなり、慢性的な長時間労働につながっているとみられる。
 心理的ストレスによって、うつ病になることが多いが、身体内部ではHPA系(視床下部ー下垂体ー副腎皮質)の亢進となって、ストレスホルモンにより、前頭前野や海馬などの神経細胞が傷ついてうつ病が発症すると推測される。 過労の場合、疲労、睡眠不足もHPA系の亢進を起こし、もちろん、こなしきれない仕事の重圧から心理的ストレスを大きくして、HPA系の亢進が加速する。こうしたストレスは、うつ病にならなくても、心理的ストレスにより、自律神経系の失調、脳血管、心臓系の疾患を引き起こす。
 企業や組織の経営者がうつ病を理解して対策をとってほしい。それでも、理解のない経営者がいるから、本人や家族がうつ病を理解しておいて、うつ病になったと思ったら、早めに休職、退職、治療を開始することだ。うつ病のことを知らないで、勤務していると、突然、自殺される。こんなに、うつ病、自殺が多くなっているのだから、うつ病について勉強しておくべきだ。経営者がうつ病予防の対策をとってほしい。