「精神科医が続々うつで倒れていく!」

 週刊誌「読売ウイ−クリー」が、「精神科医が続々うつで倒れていく!」という記事(1)で、専門の医者でさえも、うつ病になり、それさえも、治せないという「うつ病」医療の問題点を述べている。
 いくつかの例を紹介している。要約してみると、  精神科医の自殺率が高いという。  精神科医の西城有朋氏が、うつ病治療法の問題点をこう述べている。  うつ病であることをカミングアウトして、治療を進めている医師もいるという。沖縄の精神科医、蟻塚亮二氏は自分の体験を「うつ病を体験した精神科医の処方せん」という本で書いた。青森県で精神医療にたずさわっていたが、36歳の時、大腸がんとなり、うつ病も。55歳で、うつ病が再発。過重労働が続いていた。半年休職、2004年、沖縄に移住。うつ病は次第に回復していった。
 精神科医のうつ病を防ぐ対策はないものか。精神科医の大西守氏の意見をのせている。
(大田)
 日本には、自殺が多いが、うつ病になって治らずに自殺することが多い。そのうつ病を治す医療がこういう問題をかかえている。問題は、うつ病には、薬物療法だけを行なうためだ。その薬物療法がまだ充分ではない。第一、心理的なストレスによるうつ病を、ストレッサーと受けとめかたを変えずに、薬物療法だけで完治させられるかは疑問視される。大西守氏の意見のとおり、チーム医療で、うつ病を治療して、患者のうつ病をきちんと治し、精神科医の負担を減らし、医者がゆとりを持って治療にあたる体制にすべきだ。うつ病や不安障害、依存症などには、心理療法が有効だ。心理療法を提供できるスタッフをチームに加えることが、患者にとっても精神科医にとっても、いいことだ。