(表J-T-1)
種々の悩み→うつ病→自殺!

 種々の出来事で悩みが持続すると、うつ病になり、適切な治療をしないと、自殺に至ることがあります。
 自分が「うつ病」であることに気がつかず、医者に行かないとか、医者にかかっても身体症状の治療を受けて、うつ病の薬物療法を受けないうちにうつ病が治らず自殺することがあります。うつ病のうち、薬物療法で治るのも多いのですが、薬物療法の効果が現れない患者もいます。うつ病の治療(薬物療法、心理療法)を受けても、治らないで、自殺する人がいます。一応、自殺防止、うつ病の相談機関、治療機関、種々の専門領域の相談支援の組織がありますが、まだ支援や治療が不十分で、ぬけおちがあります。こういうことが、連続して数年、自殺が多くて減少しない理由です。

種々の出来事(*1)で悩む
日常いらだち事(*2)が持続
うつ病になり、治療を受けない
自殺
うつ病になり、治療を受ける
しかし治らない
 
身体の病気(たとえば「がん」*3)や心の病気(たとえば、パニック障害)で悩む
「うつ病」を併発したのに、気づかないで「うつ病」の治療を受けない(うつ病も起きているのに、元の病気で悩んでいると勘違いする)
自殺
「うつ病」の薬も投与する、心理的ケアも行う
しかし、治らない

(*1)種々の出来事
男性の場合、転職、転勤、地位の昇進、定年、失業、事業不振(経営者、自営業)など仕事と関連した出来事をきっかけとしている人が多い。
女性の場合、転居、出産、配偶者の死亡、子供の結婚、介護など家庭的な問題にまつわる出来事から起こっている場合が多い。
男女共通のものは、失恋、病気(身体疾患、精神疾患)、事故、災害、近親者の死亡、人間関係・いじめ、過労(勤務、家事、育児、介護など)、家族(夫婦、親子)の不和、借金、経済的悩み(低所得)などである。
病気には、パニック障害、PTSD、対人恐怖、強迫性障害、過食症などの心の病気、家庭内暴力、リストカット、ひきこもり、非行などの行為、頭痛、がん、難病などの身体の病気がある。
児童・生徒の場合、学業の失敗、先生の言葉、いじめ、等。

(*2)日常いらだち事
特定の出来事はないが、家族の不和(親子、夫婦の仲が悪い)とか、健康状態が不安だとか、経済的に苦しい状況(貧困、低所得)が継続しているとか、日常的に、いらだっている、面白くない、つまらないと思う状況、孤独などが継続している。対人関係がうまくいかないのもこれです。この場合からも、「うつ病」を発症する。環境否定、自己否定、他者否定、関係否定、将来否定からである。

(*3)病気を苦にしてうつ病になる
症状が重い病気や身体の障害が残るとそれを苦にすると、うつ病になる。がん、糖尿病、ほかの難病、脳疾患で障害が残ったような場合。心の病気でも、長引くと、「うつ」を併発することがある。統合失調症、パニック障害、パーソナリティ障害など。前頭前野を傷つける脳梗塞や事故による前頭前野の損傷は、うつ状態をひきおこす。
こんなことからもうつ病に